任意売却は通常の不動産取引と同様の方法で売却するため、競売による強制的な売却より市場価格に近い価格で売却することが可能です。
競売は一般的に市場価格の7割程度の価格で売却されます。
任意売却による売買価格と競売の落札金額を比較すると、競売による金額の方が低くなってしまうのが現状です。
競売では室内を内覧できないまま入札しますので、室内の状況や設備の状況など自分の目で確認ができず、様々なリスクがあり、さらに立ち退きの手間や転売までの時間がかかる、資金調達の難しさなどもあり、どうしても任意売却より安価での売却となってしまう可能性が高いのです。
不動産を高く売却するために、なるべく多くの情報と不動産会社による的確な販売活動で、より良い条件で購入する人を探すことが可能です。
任意売却は、競売よりも高い価格で売却できるのです。
高い価格で売却することで、債権者との債務返済金額(減額も視野に)を有利に進めることが可能となり、任意売却後に債務が残ったとしても返済しなければいけない残債を少なくすることができます。
債権者が競売を申立てると、元本が確定し、残元本に対して年15〜20%遅延損害金がかかってきます。
競売は申立から、入札・落札、配当・終了まで、1年程度かかるので、遅延損害金はかなりな金額になりますし、それに競売費用も上乗せされます。
競売費用は、100万円程度かかる場合があります。
金融機関・債権者が立て替えて払っている形で請求されるのです。
競売にかかりそうになった時、競売が申立てられても早い時期に、任意売却を行えば、債権者に支払う金額を抑えることができるのです。
任意売却の場合は自宅を売却した金額から、不動産仲介手数料など諸経費を支払うことが認められています。
また、滞納分の管理費・修繕積立金や滞納分の固定資産税・住民税なども同様です。
資金の持出しを抑えることが可能です。
任意売却では、自宅売却後も残ってしまった債務(残債)は、債権者(金融機関・サービサー・住宅金融支援機構など)と協議して、無理のない範囲内で返済予定をたてます。
債権者と協議の上進めていくので、現在の収入や賃料、生活実態を考慮のうえ、現実的な返済方法を話し合います。
競売後も残債がある場合、債権者からは一括での返済を迫られます。
そのため競売後に自己破産する方も多くいますし、連帯保証人にも債務の弁済要求が起こります。
債務を弁済した上で、住み慣れた自宅に住み続けたいという希望をかなえることも。
リースバック、家族間売買、親族間売買を使った任意売却を行うことで、身内やリースバック業者・投資家に自宅を買い取ってもらい、家賃を支払うことでそのまま自宅に賃貸戸建として住み続けるという方法があります。
追い出されるようなこともなく、新しい生活をスタートすることができます。
任意売却の大きなメリットとして、引越し費用を、債権者との交渉により、売却代金から融通してもらえる可能性が高いことです。
引越には、引越料金、引越先の敷金・礼金・仲介手数料のような諸費用がかかります。
それらの費用を売買金額からあてることができれば助かります。
競売の場合、「引渡命令」という制度があり、比較的簡単に立退きの強制執行を行うことができます。
競売は債権者の申し立てに基づき、裁判所により強制的に執行されます。
売却価格、時期や相手は裁判所が手続きします。
落札後そのまま住み続けてしまうと、不法占拠者として立退きを迫られます。
任意売却のメリットは自分の意志が反映できる点です。
いつ、誰に、いくらで自宅を売却するか、いつ引渡しするかが購入者と調整できるため、引越し先の確保は余裕を持って進められます。
競売されている物件の情報は入札時期が決まると競売3点セットとして、裁判所が新聞やインターネットで広く公告します。
近隣や職場の方、友達に延滞で競売に出されていることが知られてしまう可能性があります。
インターネットに3点セットが掲載されると、不動産業者が自宅や近所に聞き取り調査をしに来るというトラブルも多くあります。
任意売却は、一般の不動産売却と同じ販売活動を行います。
任意売却の不動産会社だけが販売活動を行うことも可能ですし、周囲に知られたくないと言えば、そのように販売活動を行うことも可能でしょう。
競売で売却されるより任意売却の方が印象が全然違います
知り合いに対して、自宅を高く売れるから売却した、といった説明をすることができます。
もし対処が遅れてしまい競売が開始してしまったとしても、任意売却に関する合意を得て競売を取り下げることができます。
取り下げられた競売の競売3点セットは削除されて閲覧できなくなります。